特別清算と破産の違い
1 特別清算とは
株式会社は、解散することによって、法的に消滅することができます。
ただ、その際には、会社の債権者に対して支払いをする必要があります。
これが清算の手続きです。
そして、その清算の手続きの中でも、解散した会社が、すべての債権の支払いをすることができない場合、すなわち債務超過の疑いがある場合などに、適正な支払いを行うために裁判所の監督下で行われる清算手続きです。
破産も、債権者への支払いができない場合に、債務者の財産等を処分して債権者に分配し、最終的に会社等は消滅することになるので、特別清算と破産は似た手続きであるといえます。
2 特別清算と破産の違い①
ただ、特別清算は、株式会社の解散に伴う手続きです。
そのため、特別清算は、株式会社であり、かつ、解散する場合にしか行うことができません。
解散をするためには、特別決議(議決権者の半数の出席及び出席した議決権の3分の2以上の賛成)等が必要になるので、解散することができに場合には、特別清算をすることはできません。
これに対して破産の申立てについては、主体は株式会社に限られるものではなく、株主総会決議も必要ではありません。
3 特別清算と破産の違い➁
また、破産と特別清算では、財産の換価処分等を行う主体もことなります。
破産の場合には、裁判所が選任した管財人が行うのに対して、特別清算の場合には会社が選任した清算人が清算手続きを行います。
そのため、特別清算の場合には、清算手続きを行う主体を会社が選任することができますが、その一方で、偏頗行為等を取り消す否認権はありません。
4 特別清算と破産の違い③
また、特別清算が成立するためには、債権者に対する弁済計画である協定案に対し、債権額の3分の2をしめる債権者の同意等が必要になります。そのため、ある程度の債権者の協力を取り付けていないと、協定案を可決することができず、結局破産を選択せざるを得ないことになります。
これに対し、破産の手続においては、債権者の同意を得ることなく、最終的な配当を行うことができます。
5 まとめ
以上のように、破産と異なり、特別清算については、行うことができる場面が限定されています。
ただ、破産ではく特別清算をすることにメリットがある場合もあります。
詳しくは弁護士にご相談ください。