介護業の会社破産のポイント
1 介護業の倒産件数の増加
介護業の倒産件数は増え続けており、東京商工リサーチによると2025年の倒産件数は176件で2年連続で過去最多であったという。
介護に必要な人員確保の難しさや、他事業者との利用者獲得競争の激化、ガソリン代等運営コストの増加が主な原因とされており、特に訪問介護などは小規模事業者が多いので、体力がなく倒産件数が増えるのもうなづけるところである。
2 利用者の移動が必須
介護業を営む会社の破産で最も特徴的なのは、生きた人間で身体面で不自由していることが通常の利用者を顧客とするので、介護サービスを新しく受ける先に利用者を移動させる手配が必須である点である。
都道府県や市町村の監督官庁との連携が重要であり、他の事業では破産当日まで誰にも話さないで破産に至るケースが多い一方で、介護業では利用者や監督官庁に対して、どの日に事業をやめるかは事前に告知しているケースが多くなる。
3 入金のサイトが長い
介護業の収入の大半は、国民健康保険団体連合会(国保連)等介護保険に基づく収入である。
この介護保険は、大半が毎月末日で締めて請求書類を翌月10日頃までに提出するが、入金されるのは翌々日の25日等、実際に仕事をしてから入金されるまでの期間が長いのが特徴である。
この期間の長さゆえに、介護業ではファクタリング等売掛金を早期に現金化するための借入があるケースが多い。
これは、廃業等返済が危ぶまれる状況になると、ファクタリング業者が売掛金を先に回収してしまい、予定していた給料や破産申立てに要する費用が準備できない事態が生じやすい点に注意が必要である。
4 社会福祉法人の特殊性
介護事業所の中には、株式会社や合同会社等営利企業ではなく、社会福祉法人等の特殊法人となっているケースも多い。
特殊法人は、営利企業の取締役にあたる代表以外の理事の氏名が全部事項証明書で公表されていないため、役員名簿等他の資料で確認する必要がある等、株式会社や合同会社と異なる会社破産の進め方が求められる。
より会社破産に特化した弁護士に相談することが必要な業態ともいえる。

























